仕事や家事と戦い続ける日々…。
各々ばらばらに戦っていては効率が悪いに違いない。そうだ、一度立ち止まって、パーティで戦略を練ってみるとしよう!
共働きには「黙秘」という戦略が必要
どんな家庭においても、「お金を得る」と「家庭を回す」という仕事がありますよね。その仕事を役割で分担している家庭もあれば、1人で全て担っているという家庭もあります。
そして、共働き家庭というのはその役割を夫婦が重複して担っている状態のこと。
この「重複」というのがポイント!
パズルがはまるように二人の時間や労働力を使うことができればいいのですが、お互いの都合で全体を回そうとすると、どうしても重なる部分や足りない部分が出てきて、でこぼこが生じてしまうのです。
でこぼこのまま道を進むことは出来ないので、ならすためには二人の間で調整が必要ですが、これがうまくいかないことがしばしば。
調整がうまくいかない状態を長く続けることは難しいし、せっかくなので共働きという利点を最大限に活かしたいですよね。
日常は戦いの連続です。その戦いを少しでも効率的に進めるために、共働きには互いに「黙秘」という戦略が必要なのです。
囚人のジレンマと共働きのジレンマ
皆さんはゲーム理論という考え方をご存じでしょうか?
ゲーム理論とは?
利益が自分と相手(その他の要素)に依存する状況において、両方の利益を考えて、最も良い選択をする思考方法のこと。経済学や政治学などさまざまな分野で応用されている。
企業のマーケティングなどで使われる手法で、双方の利益を考えながら戦略的な選択を考えていこうという手法です。
このゲーム理論の代表的なモデルに「囚人のジレンマ」というのがあり、これが共働き家庭にも当てはまるなあと思ったのでご紹介したいと思います。
囚人のジレンマとは
ある犯罪で捕まった二人の囚人がいます。二人は意思疎通ができない部屋に別々に隔離されています。
二人は、犯罪を「黙秘する」または「自白する」のどちらかを選ばないといけません。
そして、お互いがどちらの選択をするかで、受ける刑はそれぞれ異なってきます。
選択によって待ち受けている刑は下記の表のとおり。
全体でもっとも受ける罰が軽くなるのは、二人が協力して黙秘した場合の「懲役2年」です。
けれど、もし自分だけが黙秘して、相手が自白を選べば、「自分だけ懲役10年」の刑を受けることになります。
仮に、自分が自白すれば、相手の回答次第では「刑なし」、悪くても「懲役5年」で済みます。
そのため、囚人は自白を選択せざるを得なくなりますが、それは全体にとってのベストな結果にはなりません。
このように、全体にとってのベストは分かっているのに、各人が自分にとって有益な選択肢を選んでしまい、全体にとって悪い結果になってしまうことを「囚人のジレンマ」といいます。
- お互い協力した場合は全体にとっての最大利益になる
- 自分の利益を優先して意思決定をした場合は、全体にとっての最適解ではなくなる
共働きのジレンマ
この囚人のジレンマ、共働き夫婦にも当てはめて考えると、問題点が浮かび上がってきませんか?
少し抽象的ではありあすが、夫婦共通の利益(目標)は、家庭という船を順調に動かすこと!
そんな中、共働き夫婦が抱える大きなジレンマは「仕事」と「家庭」の両立ですよね。
仕事を優先すれば「収入アップ」「キャリアアップ」などが叶う一方、家事や家族に充てる時間が十分ではなくなってしまいます。
一方、家庭のことだけを優先すれば、「快適な生活」「家族との時間」などの充実度は増しますが、収入やキャリアは心細くなってしまう…。
もちろん家庭によって必要な収入、それに伴う働き方や家事分担のバランスは異なりますが、そのバランスは果たしてお互いが全体の利益を優先して選択した結果でしょうか・・・?
相手のことを考えず、自分の利益だけを優先する選択はもちろんですが、例えば、「家事をもっと手伝ってほしいけど、相手の方が稼いでいるから言えない」とか、「本当は時間に余裕のある仕事に転職したいけど収入が減ってしまうから言えない」といったケース、よくありませんか?
そんな風に、相手への遠慮や不協力を想定して自分だけが頑張ってしまうようなケースも、囚人のジレンマの「自白」にあてはまると私は思います。
つまり、自分の都合ばかり優先したり、相手に合わせることで問題を一人で解決してしまったら、それは全体の利益から見るとマイナスとなるのです。
共働き夫婦の最適解は?
先にも書きましたが、共働き夫婦の目標は、家庭という船を順調に動かすことです。
また、夫婦が囚人たちと違うのは、お互いに相談しあえる余地があるということ。
それぞれぞの家庭での目標地点や妥協点は異なりますが、お互いのキャリアを尊重し、家事分担やスケジュール共有などで時間を効率的に使えるように協力できれば、共通の利益である収入の最大化・心地よい家庭環境を作ることができるはず!
相手任せにしたり、一人で頑張ったりせずに、協力すれば利益は最大化する!この共通認識を持っておくことが共働き夫婦にとって大事だと思うのです。
我が家で試している家事分担やスケジュール共有などの例をご参考までに。
社会に期待したいことも…
仕事を優先すれば、家庭にしわ寄せがくる。家庭を優先すれば、仕事に影響が出る。
現在社会では、共働き家庭のなかでも特に女性のほうがこういう悩みに陥りやすいのかなと思います。
ゲーム理論はもともと数学的アプローチの学問なので、利益が最大化する選択を数値化できるはずです。その場合は、単純に2人の労働力という要素だけでなく、社会要因も関係してくるのかなと思います。
仕事をするのも、家事をするのも、労働力という点では同じ。
だけど、収入を多くするためには、男性が働く方が有効など、夫婦の意思以外で選択肢が決まってしまう要因も多くありそうですよね。
もし男女関わらず利益を最大化する選択ができる社会だったら、それは家庭内にとどまらず、社会全体にとっての利益にも繋がるのにな。
共働きのジレンマを考えていて、そんなことも思いました。
まとめ
今回の記事のポイントはこちら
- 囚人のジレンマは共働き夫婦にも当てはまる
- 相手任せにしたり一人で背負うことは、家庭全体の利益にとってマイナスになる
- 夫婦協力することで、家庭環境・収入の最大化を目指そう
戦略は常に変化するものでもあると思います。
お互いが相手のことを信頼、そして気遣いながら、全体の利益を考えて日々協力していけたら理想的ですよね。
是非、それぞれのご家庭の最適解を見つけていきましょう!